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花

花立

hanatate — the paired vases for flowers

お参りのたびに必ず触れる部分です。花を挿す筒。ここが汚れていると、花のもちが変わるといわれます。そして雪の降る土地では、ここが石を傷める入口にもなります。

Types · 二つの型

石を彫るか、筒を落とすか。

花立には大きく二つの作り方があります。手入れのしやすさが変わります。
Two kinds — carved, or with a removable liner.

Carved · 彫り込み式

石に直に彫る

石そのものに穴を彫った形。見た目はすっきりしますが、中を洗いにくく、溜まった水が凍ると石に力がかかります。

Liner · 落とし込み式

中筒を落とす

ステンレス・アルミ・樹脂などの中筒(なかづつ)を落とし込む形。抜いて洗えるのが利点です。

Removable · 取り外し式

花立ごと外す

花立そのものを取り外せる形もあります。冬のあいだ外して保管するという使い方ができます。

💡 中筒の底に水抜きの穴があるものは、雨水が溜まりっぱなしになりません。新しくする機会があれば、穴の有無を見てみてください。
Choosing · 選ぶとき

花を挿す側から見ると。

石材店に相談できるのは、建てるときと直すときです。
What to look for, as the one who arranges the flowers.

花立は、あとから取り替えられることがあります。建てるとき、直すとき、中筒が傷んだとき。そのときに何を見ておくとよいかを、花を挿す側から並べます。

決めるのは石材店との相談ですが、使うのは毎回のお参りをする方です。

素材
ステンレス、アルミ、樹脂などがあります。ステンレスは錆びにくいとされ、よく使われます。内側が滑らかで洗いやすいぶん、ぬめりが残りにくい。ぬめりが残っていると水が早く傷むといわれますので、花を挿す側から見ると、そこが効いてきます。真鍮は経年で緑青(ろくしょう)が出ることがあります。
抜けるかどうか
いちばん効くのはここです。中筒が抜ける形なら、持ち帰って洗えます。抜けない形(石に直に彫り込んだ形)は、柄の長いブラシで洗うことになります。
深さと口径
浅い筒だと、背の高い菊は風で倒れます。ふだん供える花束が、무理なく入る口径と、茎が隠れる深さがあるか。寸法のめやすは石材店にご確認ください。
ツバの有無
口が外へ広がっている形は、石の穴にごみが入りにくく、花が自然に開いて見えます。
水抜きの穴
底に穴があると、雨水が溜まりっぱなしになりません。
一体になった台
花立・ローソク立て・香炉がひとつの石にまとまった形もあります。火が風で消えにくく、掃除の場所がまとまります。
花立・ローソク立て・香炉が一体になった台のイメージ図 — 左右に口の広がったツバ付きの花立、中央に風よけのついたローソク立てが二本、正面のくぼみに線香を置く網が納まっている
花立・ローソク立て・香炉が一体になった台(イメージ図)。左右がツバ付きの花立——口が外へ広がっているぶん、石の穴にごみが入りにくく、挿した花も自然に開きます。中央の二本は風よけのついたローソク立て、正面のくぼみは線香を置く網。網も花筒も抜ける形なら、燃えかすの始末と水の入れ替えが一か所で済みます。形も寸法も、石材店や霊園によって異なります。
🌸 当サイトは石材店ではありません。ここに書いたのは、花を挿す側から見て使いやすいかどうかの見どころです。素材・寸法・取り付けの可否は、石材店にご確認ください。
Care · 洗う

ぬめりを、残さない。

花立の内側は、思っているより汚れています。
The inside of the vase matters more than it looks.

中筒を抜く
落とし込み式なら、まず抜きます。固いときは無理にこじらず、水を注いで浮かせてから。
洗い方
細いブラシで内側を。ぬめりが残っていると、水が早く傷むといわれます。
彫り込み式の場合
柄の長いブラシで。落ち葉や線香の燃えかすが底に沈んでいることがあります。
戻すとき
水気を切ってから戻します。
やってはいけないこと
中筒を外そうとして金具でこじること。石の口を欠くと、そこから水が入ります。
Seasons · 季節ごとに

夏は替える、秋は抜く。

同じ花立でも、季節で気をつけることが逆になります。
Summer: change the water. Autumn: empty it.

夏、日なたの墓前は水がすぐに温みます。お参りのたびに水を入れ替え、茎は短めに切って挿すと、花のもちが変わります。前の花が残っているときは、迷わず引き上げてください。

そして雪の降る土地では、その年の最後のお参りで水を抜くことが大切です。水を入れたまま冬を越すと、凍って中筒をふくらませたり、彫り込みの石を傷めたりすることがあります。

春
雪どけのあと。中筒に土や枯れ草が詰まっていることがあります。まず洗ってから。
夏
毎回水を入れ替える。茎は短めに。
秋
最後のお参りで、花と水を引き上げる。
冬
取り外せる花立なら、外して保管するという方法もあります。
Flowers · 供える花

一対に、奇数で。

決まりごとよりも、季節のものを気持ちよく供えることが大切にされてきました。
A pair, in odd numbers — but the spirit matters more.

控えるとされる花のイメージ図 — とげのある花、つる性の花、香りの強い花、毒のある花の四つを並べたもの
イメージ図です。いずれも習わしとして控えるとされるもので、禁じられているわけではありません。地域やご家庭の考え方によります。
本数
左右の花立に同じものを一対。本数は三・五・七の奇数に整えるのが通例とされます。
よく選ばれる花
菊、カーネーション、りんどう、スターチス、グラジオラス、ケイトウなど。日もちがよく、花びらの散りにくいものが向きます。
控えるとされる花
とげのある花、つる性の花、香りの強い花、毒のある花。地域やご家庭の考え方によります。
持ち帰り
供えた花はお参りのあと持ち帰るよう定めている霊園もあります。区画の決まりをご確認ください。
葬儀の花との違い
通夜・告別式に贈る花は「供花(きょうか/くげ)」。作法も呼び名も別ものです。→ 供花・献花のマナー
🌼 墓前の花の習わしも、地域・宗派・ご家庭、そして霊園の決まりによって異なります。ここに書いたものが唯一の作法ではありません。
墓石の各部
竿石 上台・中台 芝台 納骨室 花立 水鉢 香炉 墓誌 外柵 卒塔婆立て